本体工事費一式か工事費内訳表示か

住宅メーカーによる概算見積り段階での価格表示には、二つの方法がある。一つは工事費の内訳まで表示するもの、もう一つは本体工事費一式として、内訳は表示しない方法である。また大手住宅メーカーの見積書には、工務店などが工事費内訳として計上している諸経費という項目が無くなってきているのが、大きな特徴である。
諸経費を計上すると、諸経費とは何ですかということになってくる。しかも実際にかかる本社経費、現場経費は、利益も含めるとかなりのものとなる。しかし一般には工事費の10%以内として表示しなければ、利益が多過ぎるのではないかと指摘され、値引きの格好の対象にされてしまう。
とくに現場経費はすべての工事費にかかってくるのだからと、各工費費に均等比率で載せると、今度は顧客から、他社の工事費に比べ全体に高いのではないかと言われてしまう。この諸経費については、業界全体が顧客に対しての説明上都合がよい形で、うそをついているというのが現状なのだ。
この諸経費というのは、請負工事でしかも専門工事業者に下請けさせるといった建設業の仕組みから出てきているものであるが、住宅メーカーが工事費内訳から諸経費という項目を無くしたのは、工務店も見習うべきであると言える。
そこ代わり住宅メーカーは、諸費用として顧客に代わって手続きする際に発生する費用を計上している。
本体工事費一式か工事費内訳表示かについては、標準仕様が決まっており、注文といってもオプションの選択といったものならば、本体工事費一式といった表示で十分なはずだ。いっぽう選択肢が多く、細々した注文のもとに見積もっているならば、価格の根拠の説明(アカウンタビリティー)あるいは、証拠(エビデンス)として、その内訳を表示する意義はある。
さらに工務店が工事費内訳表示するならば、それぞれの工事費に関連する仕様の概要を明記すると、さらに説得力が出てくるはずだ。顧客にとって木工事860万円と書かれても、他社の見積書と比較のしようがない。管柱国産杉乾燥材4寸角などと表示されれば、わかりやすくなる。
(本体工事費一式表示)
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(工事費内訳表示)
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