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zoom RSS 「建設工事請負」から「住宅工事請負」への離陸

<<   作成日時 : 2007/03/11 09:29   >>

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住宅工事費の見積りのスタイルは、建設業の積算システムから来たものである。この積算システムが文献として残されているのは、8世紀の「延喜式(えんぎしき)」からで、これは現在の法律のようなもので、この中に建物の造営に関するものが含まれている。
この中には大工1人が1日に木をどのくらい削れるかなどといった、「歩掛り」についても記されている。木材の幅を5〜6寸として、夏の頃は6000平方寸、春秋には5000平方寸、日の短い冬は4000平方寸といったことになっている。6000平方寸というと長さは100m程、夏季の1日の労働時間10時間として、1時間に10mとなる。おそらく釿(ちょうな)を使っての削りであろうが、かなりのスピードである。
また積算の際に坪当たりの大工手間といった考え方が定着したのは、江戸時代中期頃からであると言われている。この長屋ならば坪何人工といった積算が行われるようになったのも、作り方の標準化が進んだからである。
材料価格、労務費、歩掛り、諸経費といったもので、積算してゆく現在のスタイルは、すでに8世紀頃から始まり、江戸時代中期になると、坪単価での概算見積りも始まっていたというわけである。
第二次世界大戦後の1950年「中央建設業審議会」が、「公共工事標準請負契約約款」を作成した。さらに1951年「中央建設業審議会」で個人住宅建築等の民間小工事の請負契約についての標準約款として、「民間建設工事標準請負契約約款(乙)」が決定され、最新版は2003年の改正されたものになっている。
この中で「乙は契約を結んだのち、工事費内訳明細書、工程表をすみやかに丙に提出してその承認をうける。工事費内訳明細書に誤記、違算又は脱漏などがあっても、そのために請負代金を変えない。」とあり、工事費内訳明細書の提出は義務になっている。
また日弁連の消費者のための家づくりモデル「日弁連住宅建築工事請負契約約款」でも「住宅の建築請負者(以下「乙」という。)は、この契約(契約書並びにそれに添付された請負代金内訳明細書、この工事請負契約約款〔以下「約款」という。〕及び設計図、仕様書〔以下これらを「設計図書」という。〕を内容とする請負契約をいう。以下同じ。)に基づいて工事を完成し、目的物を発注者(以下「甲」という。)に引き渡し、甲は請負代金の支払いを完了する。」となっており、請負代金内訳明細書が契約の際の添付書類とされている。
いっぽう住宅保証機構の「工事請負契約約款」には、「契約書とこの約款及び設計図書に基づいて乙は工事を完成し、契約の目的物を甲に引渡すものとし、甲はその請負代金の支払を完了する。」「乙はこの契約を結んだのち速やかに工程表もしくは工事予定表を甲に提出してその承認を受ける。」とあり、工事費内訳明細書や請負代金内訳明細書の添付は、明記されていない。
しかし「請負代金を変更するときは、甲、乙協議して定める。ただし、工事の減少部分については工事見積書又は請負代金内訳書により、また増加部分については時価による。」とは記され、工事見積書又は請負代金内訳書にはふれている。
住宅金融公庫の「工事契約書」では、「上記の工事について注文者_______を甲とし、請負者_______を乙とし、この契約書の条項・住宅金融公庫融資住宅工事請負契約約款、添付の設計審査に合格した図面__枚及び仕様書__冊並びに工事内訳書とによって工事請負契約書を締結する。」となっていたが、住宅保証機構の「工事請負契約約款」で、工事内訳書の添付が無くなっている。多くの審議の結果であろうが、これが「住宅工事請負」が「建設工事請負」から別な世界へ離陸した明かしではないかと、その経緯には多いに興味を持っている。

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